モノリスソフトが「ゼノブレイドクロス」の広大なシームレスマップについての開発秘話を語る



これはなかなか興味深い内容です(情報提供ありがとうございます)
『ゼノブレイドクロス』の特徴の一つに、広大なマップをシームレスに移動できる点があります。その広さは20km四方で、『The Elder Scrolls V: Skyrim』の約10倍、『グランド・セフト・オートV』の約5倍にあたり、現実世界では東京の中心部に匹敵(東西で新宿ー東大島間、南北で北千住ー品川間)します。

この広大なマップを、Wii Uのゲーム1GB / システム1GBという限られたメモリ上で切れ目なく表示し、快適なゲーム体験を実現するうえで、どのような工夫が行われたのか。

稲葉氏は「シームレスマップ」を作成して実現したと説明しました。




1.6GBにもおよぶシームレスマップ

どれだけゲーム全体の容量が大きくても、ゲーム機で一度に扱える最大データはメモリ容量に限定されます。

そのため多くのゲームでは、進行にあわせてマップデータの読み込みと削除がメモリ上で繰り返されます。

特にオープンフィールド型ゲームの場合、エリアの移動やバトルといった、データの読み書きに向くタイミングが少なく、常にデータの読み書きを行うことが求められます。

一方でゲームの進行(多くの場合プレイヤーの移動)に伴って、すべてのマップデータをその都度、読み書きするのでは、データの転送量が大きくなりすぎてしまい、狭い範囲しか見渡せなかったり、処理落ちなどが発生します。

そこで多くの場合、マップデータを適切に分解したり、重複するデータをまとめるなどして、効率化が図られます。これがシームレスマップです。実際の仕様はゲームごとに変わってきます。

さまざまな試行錯誤が繰り返された結果、本作のシームレスマップは最終的に1.6GBのアセットデータ(頂点やテクスチャなど、描画に必用なデータを格納)と、1.5MBのヘッダデータ(シームレスマップを構成する上で最小限必用なデータで、メモリに常駐)にまとめられました。

これに対してメモリ上ではデータ領域に192MB、プログラム領域に16MBが割かれています。この約200MBのメモリでデータのやりくりが行われるというわけです。

マップデータはアーティストがMaya上で作業しやすいように、エリア(絵周りが大幅に変化する箇所)単位で作成されます。

その後、Mayaから中間ファイルを出力し(約2時間)、そこからシームレスマップを作成するためのツールが起動されます(約1時間)。

このように、合計で3時間かけて出力されるという巨大なものになりました。また、シームレスマップ上で描画データを確認するために、専用の描画エンジンも同時開発されています。




3種類のマップデータに分割したのちに、細分化

シームレスマップは大きく「ベースマップ(基本的な地形など、下地を構成するマップ)」「インスタンスマップ(モデルと座標を分離したデータで、岩や建物など『上物』を構成するマップ」「グラスマップ(草などマップ全体にわたって大量にモデルを表示するシステム)」の3種類に分割されました。

このうちインスタンスマップでは、オブジェクトごとにLODデータなどが含まれます。

プレイヤーからみて遠距離で表示されるオブジェクトの中に、近距離用のメッシュデータなどが含まれるのは無駄が多いため、あらかじめ距離に応じて「遠・中・近」の3種類に分割されています。

またベースマップには遠距離表示用にデータを簡略化した「LOWマップ」も用意されています。

その後、ベースマップでは「頂点とテクスチャ」、インスタンスマップでは「座標・頂点・テクスチャ」、グラスマップでは「コリジョンと座標データ」が切り出され、それぞれ「ベースマップ情報」「インスタンスマップ情報」「グラスマップ情報」として、アセットデータに格納されました。

そのうえで、これらを必用な表示領域にあわせて逐次ロードし、描画エンジン上で組み合わせて、実機上で表示するというのが、基本的な考え方になります。

実際には各々のデータはさらに細かく分割されています。ベースマップは3次元グリッド内の総ポリゴン数によって頂点分割を実施(最小グリッドは200m)。

インスタンスマップとグラスマップの座標データは600m単位でグリッド分割する、などです。

ベースマップとインスタンスマップのテクスチャは、高・中・低解像度に自動生成され、主に中・低解像度からなるテクスチャリストと、高解像度むけの単品テクスチャにわけて整理されます。

ベースマップ情報とインスタンスマップ情報がロードされると、はじめにテクスチャリストがロードされ、ここに整理されたテクスチャが表示されます。

その後、必用に応じて単品テクスチャに差し替えられる仕組みです。

これに対してグラスマップでは広域使用されるモデルが多く、頂点・テクスチャ容量も少ないため、分割されていません。

他にも本稿では省略していますが、他にもさまざまな分割テクニックや、データのロードテクニック、さらにはフレーム負荷を低減させる絵テクニックなどが盛り込まれています。

稲葉氏は「メモリに余裕があれば、ここまで分割することはなかったと思う」とふり返りました。




意外な伏兵となったメモリ整理問題

シームレスマップの作成に加えて、稲葉氏が補足したのが「メモリの整理(コンパクション)」です。

本作のようにシームレスなゲーム体験を提供するためには、マップデータを頻繁に読み書きする必要があるため、メモリの断片化が通常のゲーム以上に進行します。

そのうえ、現世代機のようなマルチコア+GPUアーキテクチャでは、あるCPUがデータ整理のために移動させた場合、他のCPUやGPUが空のメモリを参照したり、問題のあるデータを参照してしまう、といった問題が付随します。

そこで本作ではデータの一時退避領域(14MB)を用意することで、問題が回避されました。

しかし、メモリの整理を前提とせずに開発が進んでいたため、たいへん苦労したとのこと。

稲葉氏は「シームレスマップを作成する上でメモリの整理は必須条項だと思うので、最初から対策を考えていた方が良い」とアドバイスを送りました。

最後に稲葉氏は開発をふりかえって、「最初はどこから手をつけていいかわからなかった。とにかく大量の作業が必要なことだけはわかっていた。開発に参考になるような資料も少なく、とにかくトライ&エラーを繰り返した」と語りました。

実際に開発当初はエリア単位で必用なモデルだけを読み込んで、それをシームレスマップと呼んでいました。

しかし、それではメモリ不足などが発生したため、最初にテクスチャーだけを分解しました。それでも限界が出てきたので、次は頂点データを分離することに。

その後、開発チームから「モデルを遠くまで表示したい」という要望が出たため、LOWマップの機能が加わった……などです。

このようにシームレスマップの開発には、新しい機能が必要になる度に、作り込んでいったといいます。

いわば泥縄式の開発に対して、稲葉氏は「ベテランほど嫌がると思うが、本当に新しいモノを作るためには必用なこと」だとコメントしました。

実際にシームレスマップに対応することで、描画制御に関する手間が劇増しました。

シームレスマップを前提にゲーム本体が開発される中で、シームレスマップの見通しが立たず、その上で専用の描画エンジンまで同時開発する必要がある……。この状況はかなりプレッシャーだったといいます。

シームレスの機能を追加することで、モデルデータの容量決めも困難になりました。

通常のゲーム開発ではメモリマップを最初に作成し、その範囲内での開発が行われます。シームレスマップの採用で、その限界が超えられる一方で、実際にどれくらいの読み込みが可能なのか、作ってみなければわかりませんでした。

もっとも、一度作ってしまえば次からはノウハウの転用がききます。いわば『ゼノブレイドクロス』は、研究開発とゲーム開発が同時並行で行われたタイトル……そんないい方もできるでしょう。

http://www.gamebusiness.jp/article/2015/09/30/11459.html




管理人コメント

簡単にまとめるのならこんな所でしょうか?

WiiUの限られたスペック(メモリ)で超広大なシームレスマップを実現させる為に様々なテクニックを用いた。

開発はトライ&エラーの繰り返し(ハードの研究開発とゲーム開発が同時並行で行われた様なもの)


やはりあれだけの大規模のゲームを作る為に並外れた苦労があったとコメントしています。
ですが、次回作からは本作で得た様々なノウハウが転用出来ますので、開発効率が向上するのは間違いないでしょう。
(それがゼノブレの続編か完全新作かはまだ不明ですが)

専門用語が多く含まれていますが、そこまで難しい内容ではありませんので、出来れば本文を読む事をお勧めします。
こういう技術的な記事を読むのもゲーム好きの醍醐味とも言えます。
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[ 2015/10/15 12:10 ] 任天堂系 | TB(0) | CM(40)

ほぼノウハウ0といいつつ、前作から約5年で発売まで持っていくモノリスは凄いな
次回作も当然、期待してしまう

フィールドを素早く遠くまで見渡せる技術と、とても特徴的な各大陸の地形のおかげで、
あの遊んでる内に見知らぬ惑星が俺の庭になっていく感覚を得られたんだなぁ
[ 2015/10/15 13:00 ] -[ 編集 ]

ノウハウも資料も少ないとこからよくぞあのレベルを・・・・。
以前、はなしてみてわかることでも言ってたけど、若手の熱量や体力が無かったらここまでやれなかっただろうね。
短期間でのハード研究とゲーム開発の同時進行は任天堂の子会社だからこそか。
モノリスは任天堂の色んなソフトを手伝ってるからこのノウハウはゼルダ最新作にも活かされそうだ。
[ 2015/10/15 13:38 ] -[ 編集 ]

ゼノクロの所為でゼルダは延期が決まったと思ってる。
[ 2015/10/15 13:50 ] -[ 編集 ]

ゼルダはこのような技術を適用しようとしてるのかな…ゼノクロが完成するにつれてゼルダもオープンワールド化が可能かも知れないと突然なって、思ったより難しくて延期…みたいな?一から十まで妄想だけど。まあともかく延期したんだから任天堂の底力を見せてくれ!スタウォも!
[ 2015/10/15 14:18 ] -[ 編集 ]

[ 2015/10/15 13:50 ]
根拠の無い妄想は自分の中だけにしとけ。
納期より作り込み優先させたと説明してる。
風タクやってればどっちが良いかは火を見るより明らか。
[ 2015/10/15 14:18 ]
過去からやりたかったシームレスマップを実現する所から開発はスタートしたと青沼は言ってる。
ゼルダもゼノクロも同時期に同じ目標でスタートしてるから共有してる可能性は大きい。
あとWiiUゼルダは便宜上オープンワールドって言葉を使っただけでスカイリムのようなサンドボックスタイプかは不明。
そもそもゼルダは昔からオープンワールドみたいなもんだ。
[ 2015/10/15 16:23 ] -[ 編集 ]

つまり、モノリスソフトはHD機一作目にしてシームレスオープンワールドRPGと新エンジンの同時開発を成し遂げたってことか。
驚異的な技術力だな…。
2010年辺りまでずっとSD機でやってたのに、クロスたった一作で国内大手サードと並ぶレベルにw
ま、ゼノブレイドの時点で中小サードは抜き去ってたけどw
そしてこれが任天堂の子会社だからな…素晴らしい!
[ 2015/10/15 16:51 ] -[ 編集 ]

ノウハウ0であそこまでのものを作り上げたのは賞賛に値する
次回作はより洗練されたものになるだろうし楽しみだ
[ 2015/10/15 17:18 ] TY.N/4k.[ 編集 ]

ゼノクロは続編を出すのだろうか?

もし出すのなら忘却の大陸のリングが兵器として猛威を振るうマップにしてほしいな
[ 2015/10/15 17:23 ] -[ 編集 ]

変なプライドでwiiuにこだわらなくてっもいいのに
[ 2015/10/15 17:41 ] -[ 編集 ]

↑???
[ 2015/10/15 17:51 ] -[ 編集 ]

というかまーだゼノクロクレクレモノリスクレクレしてるんかいなw
[ 2015/10/15 17:54 ] -[ 編集 ]

※モノリスソフトは任天堂の子会社です
[ 2015/10/15 17:55 ] -[ 編集 ]

PSユーザーの醜さがよくわかる書き込みだーね。
変なプライドしかないのがゴキという生き物
[ 2015/10/15 17:57 ] -[ 編集 ]

[ 2015/10/15 17:41 ]
いや、モノリスソフトって任天堂の完全子会社ですしこだわるも何も・・・

いやしかし、これをみるとやっぱスペックは高いに越したこと無いね
開発が快適になる、ゲームの動作も快適になるのならハードのスペックは高いほうがいい
けど性能あがるとどうしてもグラフィックとかエフェクトも強化しなきゃならんから難しいねぇ本当・・・
[ 2015/10/15 18:15 ] -[ 編集 ]

実際いいもの作っても売れてないからクレクレされんだよ現実見ろ
[ 2015/10/15 18:19 ] -[ 編集 ]

ソニー信者って頭に糞が詰まってるんだね…w
[ 2015/10/15 18:24 ] -[ 編集 ]

現実を見てるからこそ任天堂からしかソフト出せないだろ
[ 2015/10/15 18:29 ] -[ 編集 ]

「自分は頭のおかしいゴキブリです」
ってわざわざ宣言してくれてるwww
こりゃ楽だわ
[ 2015/10/15 18:32 ] -[ 編集 ]

生きてて恥ずかしくないのかなこの蟲。
[ 2015/10/15 19:14 ] -[ 編集 ]

あー、車がすり抜けるゲームね

[ 2015/10/15 19:18 ] -[ 編集 ]

未だにゼノクロネガキャンしてる奴らって一体何を楽しみにして生きてるんだろう
それはそうと、ゼノの次回作はとりあえずNXで確定だよな?
〇完全新作
〇ギアスリメイク
〇ブレイドリメイク
〇クロス続編
さあどれだ
[ 2015/10/15 20:01 ] -[ 編集 ]

モノリスはマップだけは一流
あとはダメ
[ 2015/10/15 20:09 ] -[ 編集 ]

[ 2015/10/15 19:18 ]
腰の高さほどの段差も登れないリアル(笑)なゲームなんて多数ありますよ?
[ 2015/10/15 20:42 ] -[ 編集 ]

社会不適合者の鑑だな犯罪クソ虫は。
[ 2015/10/15 20:44 ] -[ 編集 ]

[ 2015/10/15 18:19 ]
未だに国内ハーフが登場しないPS4は駄作だらけってことですね、わかります
[ 2015/10/15 21:06 ] -[ 編集 ]

初週10万以下の一言で言うと退屈なゲーム
[ 2015/10/15 21:22 ] -[ 編集 ]

退屈?走り回るだけで楽しかったし空飛んだときの爽快感は半端じゃなかったよ
[ 2015/10/15 21:39 ] PZQvylbw[ 編集 ]

[ 2015/10/15 21:22 ]
ここまで「やらずに貶す」を体言してるのもないな
[ 2015/10/15 22:17 ] -[ 編集 ]

退屈なゲームは実際プレイし人の評価けどね
[ 2015/10/15 22:46 ] -[ 編集 ]

↑日本語でOK
[ 2015/10/15 22:51 ] -[ 編集 ]

ゼノクロをいかにもやってないのかが分かるコメントだなー・・・
とりあえず一人で荒らしてる奴、巣に帰んなー
お呼びじゃないねー

そもそも君らが言ってる初週10万以下の退屈なゲームになんでそこまで必死になるんだか。
ゲームを販売本数(しかもなぜか初週)でしか語れないエセゲーマーほど醜いものはないわな。
[ 2015/10/15 23:02 ] -[ 編集 ]

ゼノブレイドクロスが退屈なら、今出回っているの大半のゲームが退屈に感じるだろうね。気の毒な事だ。

しかし初のHDタイトルの開発、しかも一度大工事でそれまで作った物全て捨てた上で
ここまでの物にしたんだからすごい。
案外「次」はそんなに待たなくて済むかも。
[ 2015/10/15 23:06 ] -[ 編集 ]

  

ゼノブレ3DSレベルのソフトがVITAとかにまず存在しないからね
結局は開発力の問題
[ 2015/10/16 05:02 ] -[ 編集 ]

次は全年齢対象で作ってくれたらいいな
[ 2015/10/16 07:18 ] -[ 編集 ]

更なる恥の上塗りを続ける害虫。
やはり人並みの脳味噌は持ち合わせていないか。
[ 2015/10/16 08:22 ] -[ 編集 ]

Xenoはもう任天堂のもんなんだよ諦めろ
もう続編の出ないMGSで我慢しろ
[ 2015/10/16 12:37 ] -[ 編集 ]

ゼノクロはハードは低性能でいいって言ってるニシ君の手のひらくる~させてくれたから好きw
[ 2015/10/16 14:45 ] -[ 編集 ]

フルボッコにされたからって発狂すんなよソニーファン。
頭が低性能のゴキブリw
[ 2015/10/16 15:44 ] -[ 編集 ]

[ 2015/10/16 14:45 ]
君このインタビューの「メモリが~」の部分以外読んでないうえで
勝手に物語想像したでしょ
[ 2015/10/16 17:58 ] -[ 編集 ]

ゼノブレイドクロスの空を飛ぶ楽しさは、他のゲームでは味わえないよ
できることなら、もっとあの世界で遊びたかった。追加シナリオはいつ出るのかな
[ 2015/10/16 21:28 ] -[ 編集 ]

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